クラゲドーナツ

クラゲドーナツは虚無の味

NUMBER GIRL「我々は逆噴射である」

 NUMBER GIRL「我々は逆噴射である」見てきた。最高のライブだった。
 高校生の頃の音叉を使った実験を覚えているだろうか。ある音叉を鳴らすともう一つの音叉が共鳴して自然と鳴り出すという実験だ。あれがまさしく自分の身で起こったような体験だった。
 音の波が圧となって響いて、僕の全身を震わせる体験。
 ドラムが、ベースが、ギターが、向井秀徳の声が、大きな塊となってぶつかってくる2時間。
 全身が揺さぶられて痺れ、脳もシェイクされ酩酊しているかのような感覚に陥った。
 座って見ているのに平衡感覚を失って倒れてしまうかと思った。
 人生でこれまで見たライブは片手で数えるほどで、最後の生のライブももう2年近く前になってしまった。
 この2年間配信はいくつか体験したけれど今日の生のライブが圧倒的に気持ちよかった。今までの配信だって相当楽しかったけれど、生ライブがここまで気持ちいいものだということを忘れていた。嬉しくて泣いてしまうかと思った。
 ナンバーガールのライブはもちろん初めて。
 最初に出会ったアルバムは兄から教えてもらったライブアルバムの「サッポロ OMOIDE IN MY HEAD 状態」。これが最高のアルバムで何度も聞いた。
 でも僕が知った時には既に解散していたので、このアルバムが僕の知ってるナンバーガールの全てだった。
 それが再結成して2020年3月の配信ライブで同じ時間に演奏しているナンバーガールを初めて見た。
 画面越しでもそのかっこよさはすさまじくてナンバーガールが生きていることを知った。
 そして今日2021年11月28日、同じ空間の中にナンバーガールがいた。圧倒的な音で、暴力的な爆音の中に繊細なものも感じて、永遠に過ごせる空間だと感じた。あっという間の2時間だった。
 僕は透明少女という曲が大好きだけれども、それが生で聞けただけでも本当に嬉しくて、生で聞く透明少女ってこんなに最高なんだと感じた。
 知らなかった快楽を得た。本当に最高のライブだった。
 勢いでパーカーを買ってしまった。最高のパーカー。
 明日からしばらく今日のことを思い出して最高だった時間を噛み締めていこうと思う。
 ライブまた行きたいな。
 あと帰りに初めて立ち食いそば屋にも行った。
 うどんが身体にしみて、今日1日が間違いなく最高の1日だと実感した。