クラゲドーナツ

クラゲドーナツは虚無の味

仮想

 先日買った『ブルーピリオド』を読んだ。案の定体力が削られる話だった。
 
 無自覚に人を傷つける行為が僕はかなり怖い。自分もやっているかもしれない、というよりもやっているだろうと思うから。
 人の発言で若干納得のいかないことーそれは極端にいえば差別的な内容ーがあるとして、僕はその場の波風を立てることを避けて流してしまうことがよくある。
 基本的にはそこでその言及しても無意味に感じてしまうというか、僕自身がふっかけなければ丸く収まりそうな状況に見えると感じてしまう。
 でもこれはその差別的な内容に傷ついてる人がその場にいたら僕もその差別に賛同しているように見える。僕はその誰かを傷つけることに加担しているということになる。
 また僕が発する側にもなる。
 僕はコミュニケーションが得意ではない。質問は特に苦手。だからすごく画一的な質問をしてしまうのだけれど、その内容が時々多数の価値観に従った質問になってしまう。その場で気がつけたら訂正したりそもそも質問しない(気まずい沈黙になる)選択ができるが、自分のそういう価値観の押し付けに気がつけていないことは多々あるだろうと思う。
 例えば今時結婚するとかしないとか、そもそも恋愛したいかどうかなんて個人差があることがはっきりわかっていることだ。それにもかかわらず誰もが結婚する前提の質問をしてしまう。というような
 こうして日々誰かを傷つけているんだろうなと感じている。
 僕はそういうふうに考える。
 でも一方で誰かを傷つけない発言自体が難しいものだとも感じている。
 「誕生日おめでとう」と言われて傷つく可能性は否定できない。
 その傷つける誰かができるだけ少ない言葉を選んで話すしかできることはない。
 それも難しいから結局何も話せない。
 ということを延々と考えてしまう。鬱屈した考え方だと思う。
 少なくとも誰かを傷つけているかもしれないということは自覚して生きていきたい。
 
 重々しい話になったのでバランスを取ろうと思う。
 最近小腹が空いたらちくわを食べている。腹持ちがいいのでおすすめだ
 このあとラジオを聞きながらハヤシライスを作った。自分でもなかなか美味しくできたと思う。