クラゲドーナツ

クラゲドーナツは虚無の味

無声音

 思いつくままに書いてみる。なかなか何も思いつかないけど。
 「なかなか」って言葉は音がいい。
 言葉の中で好きな音がいくつかある。無声音が入っているのが特に好みだ。さ行とかた行とか。言葉が柔らかくなる気がする。
 「たすけて」はこの音の柔らかさと意味が近い言葉だと思っている。柔らかさと弱々しさが結びついているように思う。母音がついているから無声音だけの響きとは違うけれども
 でも例えば「ガニメデ」だったら全く違うイメージになっていたはずだと思う。自分が弱っているなかなんとか声を振り絞って出す言葉が「たすけて」と「がにめで」のどちらかだったとして、その悲痛さが含まれているのはやはり「たすけて」だろう。
 恣意的だが、そう思えるということ。
 逆に無声音の行だが強い言葉を考えてみる。
 敵、殺気、鷹…まだまだたくさんあるだろう。
 「殺気」は促音があるため条件が違うとして、「敵」「鷹」はイメージと音が近い気もする。tkの順番?二文字だから?
 「たかし」にすると強くも弱くもないように感じる。sの音が重要?
 「屍鬼」は「四季」でも強さを保てているような気がする。
 言葉のイメージに引っ張られている可能性が大いにあるが、二文字は言葉に速度が出て硬くなりやすいのかもしれない。4文字以上で強い無声音で構成された言葉を探す必要がある。語彙不足により全く思いつかない。
 思いつかない限り、強力な反例が出ない限り、ぼくは「無声音の行で構成された4文字以上の言葉は弱々しい」という考えを支持していこうと思う。