クラゲドーナツ

クラゲドーナツは虚無の味

「ぼっち・ざ・ろっく!」とアジカン、大好きです。ありがとう

 久しぶりに、本当に久しぶりに日記としてのブログを更新しようと思う。理由はアニメ「ぼっち・ざ・ろっく!」があまりに自分に刺さる内容で、最後の最後には泣いてしまったから。
 「ぼっち・ざ・ろっく!」が私にとって本当に特別な作品になった。どうしてここまで特別に感じたのか、その要因が一つ見えたので、そのことを書こうと思う。
 一行で言うと「アジカン大好きだから」です。よろしくお願いします。
 
 まず前提として、「ぼっち・ざ・ろっく!」はASIAN KUNG-FU GENERATION(以下アジカン)が元ネタになっていることが大量にある。主人公後藤ひとりをはじめとするバンドメンバーの名字は全員アジカンのメンバーと一緒だし、今回のアニメの各回サブタイトルは全てアジカンの曲名が元ネタだ。
 そして私はこのアジカンのことが好き。
 そんな大きな声で言えるほどではない。全部のアルバムをちゃんと聴いてたわけではないし、さっきのサブタイトルの元ネタも全て知っていたわけではない。
 でも小学生の時に人生で初めて自分の意志で手に入れたCDはアジカンの「ワールドワールドワールド」で、何度も何度も聴いた。ちなみにこのアルバムを買った理由は当時放送してたBLEACHの主題歌「アフターダーク」の入ってるCDが欲しかったから。シングル買おうとしたら兄が「アルバムの方がたくさん曲あってお得やで」と言ってくれてこのアルバムに出会った。当時はこの「ワールドワールドワールド」と、くるりの「ベストオブくるり」と相対性理論の「シフォン主義」をずっと聴いていた。
 「ワールドワールドワールド」の構成が本当に大好きで、2曲目に「アフターダーク」が来て、次の「旅立つ君へ」から「ネオテニー」がシームレスにつながっていくのに驚く。途中「No.9」の「ミスター・パトリオット」という言葉はかなり耳に残ったし、「惑星」とかも好き。鉄コン筋クリートの主題歌だった「ある街の群青」が最高で、最後に「新しい世界」では大きな声を出して「世界!」と言うのはたまらなかった。
 そんな中10曲目に「転がる岩、君に朝が降る」がある。正直当時は歌詞についてそれほど意識が向いていなかった。雰囲気が大好きな曲で、なんとなく静かな空気を感じて好きだった。
 それでも「ワールドワールドワールド」自体が何度も何度も聴いていたアルバムなので「ぼっち・ざ・ろっく!」の第1話「転がるぼっち」、第12話「君に朝が降る」というタイトルを見た時はたまらなく嬉しかった。
 そして、その第12話「君に朝が降る」で作中バンドの結束バンドによる「転がる岩、君に朝が降る」のカバーが流れた。その歌詞の一番を引用する
 
出来れば世界を僕は塗り変えたい
戦争をなくすような大逸れたことじゃない
だけどちょっとそれもあるよな
俳優や映画スターにはなれない
それどころか
君の前でさえも上手に笑えない
そんな僕に術はないよな
 
 まず「ぼっち・ざ・ろっく!」の側面から見て、あまりに主人公後藤ひとりにぴったりな歌詞だと思った。彼女の不器用さとか野望がこんなにも重なり合って共鳴していて、爆発していると思った。
 そして私個人にとってもその大切さがさらに深まることになった。多くの人がそうかはわからないけれど、私は今でも心のどこかで「世界を塗り変えたい」と思っていることは否定できないし、一方で「俳優や映画スターにはなれない」こともとっくに知っている。下手したら「君の前でさえも上手に笑えない」状態かもしれない。この感情にぴったりと寄り添ってくれる歌に、私はとっくの昔に出会っていたんだということを教えてくれた。
 私にとって大切な曲のその本当に大事な部分を見ることができていなかったけれど、そのことに気が付かせてくれた。こんなに嬉しいことはない。
 もし「ぼっち・ざ・ろっく!」がアジカンのことを安直にカバーしたいなら「リライト」とか選ぶと思う。死ぬほど名曲だし全員知っているから。でも本当に結束バンドがやるならってなったら「転がる岩、君に朝が降る」が本当にぴったりだし、これを選んだってことはめちゃくちゃ聞き込んだんだろうなって思えて、アジカンと「ぼっち・ざ・ろっく!」への愛情深さとかが見えてきて、めちゃくちゃ嬉しくなった(なんか上から言っているみたいで申し訳ありません)。
 「リライト」だったら最高の作品だったけど、「転がる岩、君に朝が降る」だったので特別な作品になった。
 
 アジカンが僕にとって特別なバンドで良かった。「ぼっち・ざ・ろっく!」を見始めて良かった。人生に音楽があって良かった。そう思わせてくれるエンディングだった。
 
 「ワールドワールドワールド」聴いてみてください。アジカンに興味出た人は「ソルファ(2016)」聴いてみてください。
 そして「ぼっち・ざ・ろっく!」最高でした。ありがとうございました。