クラゲドーナツ

クラゲドーナツは虚無の味

浅倉透LP

 シャニマスのシナリオ「ランディングポイント」浅倉透のものを読んだ。むき出しの衝動、荒削りの宝石をぶつけられたようでまだ少しふらつく。
 誰かどころか自分も満足させられないけれど感想を書こうと思う。
 浅倉透の感受性の豊かさというか、独特な世界の触り方が大好きなんだけど、今回はそこじゃなくて(少なからずそこも関わっているとは思う)人の考える浅倉透になりますかということだったのかなと思う。
 自分が自分だけのものでなくなっていくけれどどうしますかという話。
 「GRAD」でも同じようなことがテーマにあったようにおもうけれどあれは他者から発生した変化で、今回は自分からその変化にのっていくことをやるかどうかの話なんじゃないかと感じた。
 爆弾を自ら作って爆発させるのかどうか。
 その変化は周りから縛られるしこれまでどおりにいかない。それは自由をうばうものに見える。それでもその変化がさらに自由に羽ばたく始まりになるかもしれない。そのことに気がついているのがまた悩むもとになる。
 すでに浅倉透は大きな衝動を抱えている。たぶん羽ばたきたい衝動。
 この衝動の表れが個人的にかなり好きだった。映画館で大声を出すシーン。やってはいけないことをする、普段しないことをするほど内面に溜まったフラストレーションが爆発している。
 それが広告のことか衝動か、どの不自由さからくるものかはわからないけれど、浅倉透の中にはエネルギーが大きく溜まっていることの象徴なんだと思った。そして何か渇望していることも。
 何かを食べても収まらない渇望が浅倉透の中にある。
 浅倉透は感受性に言葉が追いついていないから時々理解が難しくなるけれど、浅倉透は浅倉透の言葉で目まぐるしく何かを考えているようにもみえる。
 ただ財布忘れてぼーっとしていると思うと本当に痛い目見る。
 今回のシナリオで一歩進んだように思うけれど、それが良かったことなのかどうかはわからない。これからわかるような気がするけど、どちらにせよシャニPがそばにいてくれるという「statice」の歌詞を回収した形になるのかもしれない。
 これから変わり続ける中でシャニPが変わらずそばにいてくれる。それを再確認した。
 ここからどう飛ぶのかめちゃくちゃ楽しみ。