クラゲドーナツ

クラゲドーナツは虚無の味

サマーフィルムにのって

 喫茶店に寄った。カッスルクームという十三の喫茶店。久しぶりにホットドッグを食べた。
 そこの喫茶店のホットドッグはバターロールに切れ込みを入れて中にウィンナーと焼いたキャベツ、ケチャップが入った食べ物。
 ウィンナーを噛みきれず、反対側からケチャップやキャベツが溢れてしまったりもしたけれど、あったかくてめちゃくちゃ美味しかった。
 焼いたキャベツが柔らかくて甘味があり、ウィンナーが少し塩胡椒がきいていて、そこにケチャップの酸味が混ざり合っている。バターロールだから1つが小さめで食べやすいというのも良かった。
 手についたケチャップをお手拭きで拭い取り手を合わせた。
 映画「サマーフィルムにのって」を見に十三に来た。
 見た。
 最高に良かった。
 青春映画としてだけじゃない良さ。アンチ恋愛青春映画で終わらないのがめちゃくちゃ刺さった。
 以下ネタバレ気にせず感想。
 
 恋愛青春映画くそくらえから始まるエネルギーで撮り始める時代劇が、アンチ恋愛で始まったものが、だんだん恋愛の世界に歩み寄っていって別に恋愛憎しでなくていい、映画撮りたいって気持ちは一緒だってなるの好き。
 誰も傷つけないようなことが1番良いとは言わないけれど、無意味に誰かを傷つけることを良しとするのも違うように思う。恋愛映画の方がウケが良いし、時代劇は高校生で興味持つ人なんてそんなに多くないけれど、それが恋愛映画潰していい理由にはならない。そういうとこがはっきり描かれるのが好き。
 春日太一が時代劇の殺陣をBLだと言っていたけれど(若干違うかも)まさしくこれはそういう映画だと感じた。自分の全部の感情を乗せて斬り合う2人はどんな言葉よりも雄弁に好きって伝えあっている。鍔迫り合い壁ドンもよかった。
 実は結構最初から最後まで恋愛に焦点が合ってるけれどそれが時代劇の中に隠れていて、まさしく直接言葉にしないで描く良さが詰まっていたんじゃないかと思う。
 あと伊藤万理華さん。お耳に合いましたらでも思ったけど、オタクの演技めちゃくちゃ良かった。言いたいことに口が追いついてないけどなんとか全部言葉にしようとしている様子が良い。演説が上手いわけではないけど、その熱意がすごく伝わってくる喋り方がめちゃくちゃ上手い。
 あげてたらきりがないのでこれぐらいにする
 今日で公開終了なので映画館で見る機会はもう少ないかもしれないけれど、見られる機会があればいろんな人に見てほしい映画だった。
 映画っていいね。